ゆうゆう学級 身近な文化財と民間信仰

2018/07/04

第4回のゆうゆう学級は、予定していた講師が病気になられたため、急遽郷土史家の西川菊次郎先生に講師をお願いし、「身近な文化財と民間信仰」というタイトルで講演していただきました。西川先生は長年教職をされる傍ら、小牧市文化財資料研究員として小牧叢書(そうしょ)の編纂にも取り組まれ、退職後は、文化財巡りや、各地区の講座の講師としてご活躍されています。

講座は、「文化財」とは何か?という初級編から始まり、史跡の小牧山や小牧市指定文化財の話へ進みました。身近な文化財として紹介された、大草の柿渋の話に頷いて見える方が多くみられました。

続いて、お話は崇高な自然に対する崇拝=御嶽(みたけ)信仰の話に。昔は2泊3泊の道のりも、現在はバスで日帰り。そして、信仰スタイルも観光的要素が入ったものに大きく変わってきています。

話は観音信仰の話に移っていきます。広く民衆を救ってくださる観音様を巡礼することが室町中期からはやり始めたそうです。しかし、観音巡礼に行けるのは一部の余裕のある人だけ。そこで、より近くで「三十三観音」をということで、西国三十三観音を模して、「尾張」「美濃」「三河」に豊川稲荷を加えた、「東海百観音」が定められたそうです。ちなみに「尾張三十三観音」には、小牧の「小松寺・陶昌院・玉林寺・龍音寺」が含まれています。そして、さらにより多くの人にご利益があるようにと、観音を一堂に集めた「三十三観音」が地域の有力者や、人々の寄進により造られ、市内でも30カ所確認されているそうです。身近なところにも「三十三観音」があることがわかり、参加者は行く気満々になって終わりました。