こまなびカルチャー講座「安田文吉先生と廻る地芝居舞台」フィールドワークに行ってきました!

2020/11/26

日本近世文学、近世芸能がご専門で、南山大学にて長年教鞭をとられ今は名誉教授である安田文吉先生を講師にお迎えし、第1回は市公民館で岐阜の地芝居について座学で学びました。
第2回は安田先生とともにバスに乗って、岐阜県で今も地歌舞伎の上演に使われている地芝居小屋2か所に出かけました。
 
折しも市内ではコロナ感染者が増加している中でしたので、乗車前の検温と体調チェック、手指の消毒、マスク着用、バスの座席は定員の半分と、感染防止対策を徹底して行いました。
バスの中では、安田先生がこれから向かう地芝居小屋の説明から、道々の景色の案内までまるでガイドさんのように話してくださり、参加者は会話を控え静かに先生の話に集中して聞き入っていました。
 
初めの訪問地、美濃歌舞伎博物館相生座は、1階には正面席と左右に桟敷席、2階にも桟敷があり、舞台には廻り舞台、両花道とスッポン(奈落から役者が上がって飛び出すセリのこと)が備えられていました。
中でも特徴的だったのは、「舟」と呼ばれる水槽が客席と舞台の間に掘ってあることです。
普段は蓋がされ水は入っていませんが、その昔、三代目市川猿之助が「鯉つかみ」を上演されたとのこと。
 
    
 
2か所目の白雲座は、下呂の門和佐という地区の神社の鳥居前に、社殿に向かって立っています。
昔から芸事は神様への奉納の意味があったことから、舞台が神社の前にあることは多いそうです。
 
    
 
参加者は奈落に下りてスッポンのセリに乗ってみたり、回し舞台の心棒を押してみたり、舞台の真上にある2階の楽屋に上がって壁に書かれた明治時代の役者の落書きを見学したりしました。
階段は舞台袖の狭いスペースに作られた急階段で上り下りが大変でしたが、参加者は役者になった気分で楽しまれていました。
 
    
 
それぞれの小屋の地歌舞伎保存会の方々が説明をしてくださる中、めったにできない舞台裏体験をし、参加された方は地芝居への興味が深まりました。
今年は地歌舞伎公演がすべて中止となってしまったそうですが、是非いつか観てみたいと皆さん口を揃えておっしゃっていました。