市民企画講座 「初心者のための能楽教室」第1回

2021/06/25

能楽・拍楽座の代表を務められている玉野宮夫さんを講師として、「初心者のための能楽教室」を開催しました。玉野講師は、観世流名誉師範の資格をお持ちで、能楽に造詣が深く、今後は伝統芸能の継承にも一層力を注いでいかれるというお話でした。

まずDVDを視聴しました。能舞台の裏側などの説明も入りながら、能「羽衣」が進んでいきます。演者の顔や面だけでなく、摺り足や指先のアップや能舞台の全景と様々な方向からの映像をDVDで観ることができました。一息で、能舞台へ誘われた心持ちになりました。

講師曰く、「能は眠くなります。うつらうつらしてもよい、心安らぐもの」なのだそうです。なるほど納得。これからは安心して、能を観に行けそうです。

続いて、錦の袋から小鼓が出てきました。「羽衣」の一節を助手の方とお二人で、実演してくださいました。朗々とした伸びやかな発声は、腹式呼吸と鍛錬によるものでした。摺り足や腹式呼吸は、健康法としてもお薦めだそうです。

小鼓は、下から打ち上げる楽器で、このように打ち上げる楽器は世界に一つだけ、乾燥に弱く、エアコンの風でも音色に変化がある繊細な面があるようです。真っ白な皮の部分はだんだん飴色に変容していくものの、700年は使用可能だそうです。小鼓の気持ちよい音色に合わせて、「高砂」を謡い上げてくださいました。聞き覚えのある曲ですが、結婚式でも殆ど耳にしなくなりましたね。

今後は、能で使用する作り物・楽器・能面・装束などの実物をもとに、お話が聞けるそうです。文化財クラスの逸品も手にできるとか。能楽に対する基礎を身につけて、秋には、小牧市で行われる薪能を楽しく鑑賞できるように学んでいきたいと思います。