こまなびカルチャー講座 「靴を磨いて人間を磨く~プロから学ぶ革靴のメンテナンス」

2021/08/06

靴磨きの講座を初めて開催しました。講師は、小牧市内にオーダーメイドシューズの店を開いている水野年孝さんです。靴クリームを使って磨いたことがない初心者の方から、普段から自己流で磨いている方まで、15名の方が参加されました。

まずは靴を磨く前の準備からです。靴ひもを外し、靴の中にシューキーパー(ない方は新聞紙)を入れて磨きやすくします。次に、馬毛の少し柔らかいブラシを使って汚れを払います。更に靴クリーナーをウエスにつけてきれいに磨きます。この段階でかなり綺麗になりました。

いよいよ、黒や茶色の靴クリームを、専用のブラシを使って塗っていきます。クリームが浸透して少し乾くまで5分ほど待った後、ここからが磨きの本番、豚毛のブラシを使って磨きます。水野講師の手付きはさすがプロ。シャシャシャシャと軽く音が聞こえる高速磨きで、見る見るうちに光沢がでます。ウエスでさらに磨きをかけます。ウエスは磨く面にシワが寄らないよう、まっすぐ伸ばして手に巻き付けることがコツ。

明日筋肉痛になるのでは?と心配になる位、懸命に磨いていた女性の方の靴は、20年愛用のかかとの高いローファー。ピカピカに仕上がり、物を大事にされるお人柄がにじみ出ていました。ご主人や奥様の靴を持ってきて磨かれていた方もいて、周りの方はそのやさしさに感心されていました。ブーツを磨かれていた男性は、磨く以外のメンテナンスについてもいくつも質問されて、靴へのこだわり「靴愛」が伝わってきました。

最後に、プロの磨きワザ「鏡面磨き」のデモンストレーションを見せていただきました。エナメル靴ではない黒い靴が、文字通り鏡のように光が反射し輝きました。まだまだ、靴磨き道は奥が深そうです。